蜘蛛の女神


 

 ヌッと蜘蛛の尻尾の先端から、奇妙な突起物が出現した。
「あ、あぁ……」
 ヌラヌラと体液に濡れて光るそれは、蜘蛛の異形の生殖器。
「いやぁぁぁぁ!!」
 獲物はこれから何をされるのかを薄々察したらしい。しかし、どれだけ甲高い声を上げようとも、どうする事もできない。
 蜘蛛が脚を器用に動かし、獲物の両脚を挟み込むと、それを両端へと広げていく。
「うっ、ぐっ……」
 獲物は懸命に力を入れて抵抗するが、人間の力などたかが知れている。蜘蛛にとってそれは抵抗とも呼べない児戯だった。獲物のお決まりの行動。これが恐らくは最後の抵抗であることも既知であった。
「いや、いやぁ! そんなの、入らないからっ!」
 獲物は首を振り、拒絶する。その有様が酷く愉快であった。
「やっ――ぎぃぁ」
 メリメリと音を立てて、生殖器を突き刺す。誰も受け入れたことの無い割れ目の中へ、強引に押し広げながら、奥へ、奥へと味わうように挿入する。